オフィシャル稽古レポート公開!
ハローキティたちを守る、騎士の物語 『フラガリアメモリーズ』のメディアミックスの― 1 つとして始動した、ミュージカル『フラガリアメモリーズ』(通称:フラミュ)。
フラミュシリーズ第 3 弾となる本作は、バッドばつ丸を主(ロード)とする騎士・バドバルマ役の當間ローズをはじめとした【NOIR BOUQUET(ノワールブーケ)】が中心に描かれます。
いよいよ 2026 年 4 月 3 日(金)に東京公演が開幕する、ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~でぃあ・まい・ふれんず!~の稽古場の模様をお届けいたします。
※稽古レポートにはネタバレ要素が含まれます。
オフィシャル稽古レポート
ハローキティたちを守る、騎士の物語 『フラガリアメモリーズ』のメディアミックスの― 1 つとして始動した、ミュージカル『フラガリアメモリーズ』(通称:フラミュ)。
謎の脅威「シーズ」に立ち向かうべく伝説のレッドブーケ再結成を目指した赤の大陸(『純真の結い目』)、自分なりの騎士道を見つけるため奔走した青の大陸(『Promise ofLove』)――それぞれの旅路を経て、物語の舞台はいよいよ黒の大陸へと移る。
シリーズ第3弾となる『でぃあ・まい・ふれんず!』で描かれるのは、あひるのペックル王国のフラガリアの騎士アルペックが、主(ロード)であるあひるのペックルの頼みで、他の国の主(ロード)たちに「お中元を渡しにいく旅」。これまでの冒険譚とはやや趣の異なるあらましが印象的だ。
稽古場を訪れたこの日行われたのは初めてのあら通し。シリーズ全作で演出を手掛ける伊藤マサミが「チームワークを大切に」と呼び掛けたのち、バドバルマ役の當間ローズに振ると、「怪我なくみんなで“繋いで”いきましょう!You are my friends, weare friends!」と力強く声を掛け、キャスト陣も「YEAH!!!!!」と応じる。熱量と勢いでぶち上げる力強さが稽古場に満ちていた。
おなじみのオープニングナンバーで赤・青の大陸の物語が懐かしく思い出されたのち、場の空気が一気に黒の大陸へと切り替わる。自由度の高いキャラクターたちがそろった本作では、これまで以上に多彩な個性が際立つ。
バッドばつ丸王国のバドバルマを演じる當間は、肩にかけた本番用の衣裳のマントがサマになっていた。「アニキ」と慕われる頼もしさを見せる一方、主(ロード)に翻弄される姿には思わずクスリと笑ってしまう可愛らしさもある。
楽曲面ではレゲエやラップの要素も取り入れられ、稽古場は一時クラブハウスのような大人な雰囲気に。自席で見守るキャストたちも自由に歓声と拳をあげて楽しんでいた。
ノリの良い楽曲が続く一方で、ポチャッコ王国のチャコがアルペックの旅の目的に疑問を抱く場面ではアコースティックな音色が響き、チャコの内面に焦点が当てられる。『フラミュ』の音楽が実に表情豊かなのは、今回も変わらない。
そのチャコを演じる中山清太郎は、スケートボードに乗って颯爽と登場。チャコの特技であるパルクールも個別の稽古を重ねたといい、ステージ上を縦横無尽に駆け回るパフォーマンスは、すでに上々の仕上がりだった。
人を疑うことを知らないアルペックと、相手を見極めようとするチャコ。対照的な二人が歩んできた道のりが重なることで友情が生まれ、新しい世界にともに足を踏み出す。
そしてシーンはお待ちかねのあのコーナーへ。『Promise of Love』でも観客を沸かせたタッサムとピケロの名コンビに、本作ではハンギョンも加わる。旧知の仲の彼らにも、アルペックとチャコのように「友情と信頼を積み重ねた道のり」があるのだと思わせる、息ぴったりな3人の「息が合っていない」掛け合いが微笑ましい。
出番直前でなくても袖から芝居を見守るタッサム役の岩崎悠雅には、役柄に通じる真面目さが見え、素っ気ないピケロの言葉も、磯野亨の声色には控えめだからこそ実直な優しさが乗っている。理想を掲げるタッサムとシニカルなピケロの絶妙な関係性を、岩崎と磯野は自然体で表現していた。
荒牧慶彦演じるハンギョンの「あざとさ」もさすがで、ともすると軽薄に見えかねない役どころを、うさんくささの奥に深い愛情を隠し持つ、血の通った人物として立ち上げている。妖精「リリ」の動きにも試行錯誤を重ねていて、荒牧がいかに命を吹き込むか楽しみだ。
他にも黒の大陸ではチャコのスケートボード、タッサムのステッキ、ピケロの傘といったアイテムがキャラクターたちの個性を彩る。なかでも、アルペックが主(ロード)から授かり常に肩から下げている水鉄砲型の魔法具「ビッグドリーマー」は、小道具というよりアルペックの身体の一部であるかのように見えた。二階堂心は台詞にも表情にも、ビッグドリーマーを握りしめる両手にもアルペックの真摯な想いを高い純度で込め、その真っすぐさが他のフラガリアたちに波及し、物語を動かしていく。そうしてたがいに向かいあって手を握り、隣に座って笑いあう黒の大陸のフラガリアたちの姿は強い余韻を残した。
全体を通して印象的だったのは、曲調や歌唱のスタイルが、今までの公演とはまた違ったこと。キャラクター性がより一層強調されており、フィナーレで響くハーモニーが彼らの到達点として美しく立ち上がる。また、赤・青の大陸のフラガリアを演じるキャストたちが、時に「Memori-es(メモリアズ)」(シーズや従者、町の人々などを幅広く演じるアンサンブルキャスト)とともに物語を支える姿も頼もしかった。
初のあら通しを終えた伊藤は、「もっと青春っぽさが欲しい」とさらなる高みを見据えつつ「今日のみんなの熱量こそが『でぃあ・まい・ふれんず!』らしさ」と語った。そして「このナンバーは観客と一体になって」「このフレーズは観客に呼び掛けるように」といった指摘も。赤・青から黒の大陸へと繋がれてきた物語は、観客のもとに届くことでさらなるエネルギーを得て完成するだろう。
東京公演は4月3日(金)~12日(日)までシアターHにて、兵庫公演は4月17日(金)~19日(日)までAiiA 2.5 Theater Kobeにて、東京凱旋公演は4月24日(金)~5月5日(火・祝)までシアターHにて上演される。【撮影=石倉ゆう、文=榊恵美】











